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子連れ出勤報道に思う事

先日の大臣視察の後、子連れ出勤が報道各社にたくさん取り上げられました。

賛否両論、その波はまだまだ続いています。

視察直後に代表理事が「子連れ出勤報道に思う事」をブログにアップ致しました。こちらでもご紹介致します。

子連れ出勤報道に思う事

一昨日の大臣の視察。

なんと昨日のYahooニュースのトップに2つも記事が紹介され、

反響も大きくてびっくりでした。

いろいろ議論も出ていて、まずは興味を持っていただける状況に感謝したいと思います。

そして、子連れ出勤を20年以上続けてきて、情報発信もしてきて、

働き方改革や子育て支援として「子連れ出勤」が注目される今。

この機会に、私たちが考える子連れ出勤を少し書いてみたいと思います。

子連れ出勤というのは、賛否両論が出る言葉ですし、

モーハウスでも失敗談はありますから、その気持ちはわかります。

それを踏まえての、皆にとって幸せな子連れ出勤をというのが、私のこだわりです。

大臣とお話した中で、子連れ出勤には、例えばこんな意義があると、経験上考えています

 ●会社にとっては、

 ・働き方の多様性が広がることで、募集しやすい

 ・育休中、他のスタッフへの負担の軽減

 ・育休後の復帰率が高い(復帰後のイメージつきやすい、休み中の情報キャッチアップ)

 ●子連れスタッフにとっては、

 ・社会の中での子育てに慣れることができる

 ・産後の孤立を防ぎ、自己肯定感を取り戻せる

 ・子育てへの不安がなくなる 

 ●子どもにとっては

 ・親の仕事への共感

 ・社会性を育む(人に慣れ、人の力を借りやすい子になる)

 ・ダイバーシティの育み(同年代でない人ともコミュニケーションが取れる

基本的には、私は、何が何でも子連れ出勤ではなく、あくまで選択肢の一つと考えています。

預ける方が楽だと思うスタッフは、保育所に子どもを預けて働いています。

自由選択で、多くのスタッフが子連れ出勤を選んでいます。

また、子連れに向く仕事と、難しい仕事はあります。

実際、モーハウスでは実験的に様々な場での子連れ出勤をしてきました。

結果として、たとえば、単純作業や、コミュニケーションの仕事はやりやすいですが、

危険を伴う仕事(まあこれは当然ですが)や、集中力を要する仕事は難しいと考えています。

また、電車移動の都市部よりは、車で移動できる地方の方が、取り組みやすいです。

さらに、子どもと一緒にいたいから働けない、という方への、もう一つの答だと思っています。

実際、モーハウスへの応募者には「保育園に入れなかったから入社したい」という方は稀です。

「子どもとまだ一緒にいたい。そのためには仕事はまだできないと思っていた。

でも両方一緒にできるのなら、やってみたいです」という人が多いのです。

一緒に働きたい人が子連れ出勤することによって、

より必要な人が質の高い保育所に預けられる安心に、少しでも寄与できるかもしれません。

人や環境がみんな違うように、全ての人に最適な回答となる働き方はありません。

万人に適用出来て、誰にも文句のない、完璧な働きやすい環境を待つのではなく、

少しでもみんなが働きやすい環境を積極的に作っていく事が必要でしょう。

その中で、子どもと仕事は分けるべき、という「常識」は疑ってみてもいいのではないかと。

その回答例の1つとしての提案が、子連れ出勤です。

子連れ出勤という言葉が一人歩きすると、職場に子どもがいるということだけに注目されますが、

子連れ出勤が目指すところは、子どもを育てながら働く人だけでなく、

子どもも働き手も、他の社員も、雇用側も、周辺地域も、誰一人取り残されてはいけないと考えます。

こんな環境を作るために、モーハウスでは、

お腹が空いた、おむつが濡れた、という子どもの欲求に早めに応えることがルールです。

結果として、子どもは落ち着いていられますし、親も職場も仕事に普段通りに取り組めます。

見学会や取材にいらした方々は、一般の職場とあまり変わらず静かなことに驚かれますし、

子どもも連れてきている親も、生き生きしていることにも感心して行かれます。

こうした帯同型の子連れ出勤での長年の経験をベースに、

私が代表をつとめるNPO法人子連れスタイル推進協会では、

テレワークやコワーキングスペース、事業所内託児などと組み合わせ、

地域、業務、働く人、雇用する側の事情に合わせた子連れ出勤を行政や企業に提案をし、

いくつかの企業でテスト導入が始まっています。

今後も、子連れ出勤が、働きやすい環境作りのきっかけになることを望んでいます。

【参考】

日本の人事部:小酒部さやかさんによる子連れ出勤取材記事

東洋経済:子連れ記者、子連れ出勤を体験してみた

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