温故知産

 

本当に授乳しているのですか?
【母乳育児は防災デザイン。オキシトシンと母乳の不思議】
イベントリポート③

トークのあとは、舞台上でお母さんが赤ちゃんに実際に母乳をあげる「母乳ショー」。
ステージには7組のお母さんと赤ちゃんが上がりました。

司会は「母乳110番」代表の竹中恭子さん。授乳しながらインタビューに答えるお母さんたち。同じく「母乳110番」の鈴木智子さんが解説しました。
ママたちのリラックスした姿は観客席から見ると授乳中とは思えず、ただ赤ちゃんを抱っこしている姿にしか見えないという声が。

ママ:母乳を3秒で上げられる授乳服には、とても助けられています。10年以上愛用しています。

竹中さん:そういう授乳服には、どのような特徴がありますか?

鈴木さん:肌が見えない授乳服というのがありまして、そういう授乳服は、布がたっぷり使われていて、(授乳口に)チャックやホックがなくて、慣れれば1、2秒で授乳ができます。授乳服の中には、(授乳口に)ファスナーがついていたり、肌が見えてしまうものもあります。でも、この肌が見えないモーハウスの授乳服を着ていると、お母さんはどこへでも行けます。お店で家族で食事をしているときも、お母さんだけ授乳室に行かずに済んで、一緒にいられます。

竹中さん:授乳服にはたとえばサイドスリットがあって、スリットから赤ちゃんに授乳します。赤ちゃんの口がスリットに入ります。モーハウスの服のようによく出来た授乳服は、、電車で隣に座っている人にも乳首が見えないんです。でも、そのことはなかなか知られていません。

鈴木さん:災害のときにも、電気や水道が止まって暗闇の中でも、手探りで母乳をあげられて、赤ちゃんも落ち着きます。お母さんさえいれば、いつでもどこでもあたたかい母乳が出る、赤ちゃんのお弁当のようなものなのです。

竹中さん:災害のときに、授乳服が被災地に送られて、とても役に立ったと聞いています。

安西さん:どうやって赤ちゃんとつながっているんだろうと思って見ていました。男性には絶対にできない授乳、うらやましいです。

斎藤さん:授乳している姿、本当に美しいです。世界はお母さんが養っていくんだなと感じました。

渡辺実さん:本当に授乳しているのですか? そばで見ていても、赤ちゃんを抱っこしているようにしか見えませんでした。避難所に授乳服があれば、お母さんが恥ずかしい思いをすることなく授乳できますね。知りませんでした。ぜひ、授乳服を備蓄に加えてもらうよう、働きかけたいと思います。

鬼塚宏一さん:つくば市はすでに備蓄に入っています。

佐竹直子さん:中越地震のとき、支援物資にあった授乳服に助けられたお母さんがたくさんいました。熊本地震のときに被災地に送ったら本当に喜ばれました。避難所から帰ってもモーハウスの授乳服が手放せなくなった人もいると聞いています。

―――“授乳は隠れてするもの”というイメージを取り払ってもらうために企画された「授乳ショー」。授乳になじみのない男性が驚いた様子を見ると大成功のようでした。
産後の体型回復や赤ちゃんの健康面でのメリットがうたわれる母乳育児ですが、他にもいいことがあります。母乳育児をしていれば防災になるんです。
「母乳は防災」だと、母乳育児の新たな利点が知られることになりました。

 
 

*この日、『災害時の授乳まるわかりBOOK』が、母乳110番から赤ちゃん連れの来場者にプレゼントされました。「赤ちゃん連れでの避難」「ほ乳ビンを消毒できないときの粉ミルクのカップ授乳・スプーン授乳」「避難所での母乳の授乳」「夜泣き対策」「子どもと大人の心のケア」などての知恵をマンガ入りでまとめた小冊子です。

最後にゲストから活動の紹介がありました。

ライターズネットワーク 金丸弘美さん 農業で活躍する女性を取材
イベント会場で同時開催の「100人のお産展」を主宰 さとうあやさん
ピジョン あかちゃんとそなえの輪推進プロジェクト 田島誠也さん 赤ちゃんの防災グッズ「災害用授乳カップ」の紹介
「せかままCafé」主宰 西川直子さん 世界各地からオンラインでおしゃべりできる場を提供
Femtech Japan代表 野口俊英さん フェムテック用品の開発・販売
コンビウィズ マーケティング室 日暮正美さん
映画監督 吉田夕日さん 作品「1%の風景」紹介
河合さん
「親・子の片づけ教育研究所」代表 澁川真希さん

防災の専門家と母乳育児の専門家が子育て世代の防災について話したこのイベント。母乳育児のよさが再認識されるきっかけとなり、防災に新たな視点を提示した催しとなりました。

 

前編

後編